「 あかずきん 」の内容紹介
今日ご紹介する絵本は、日本でもおなじみの童話 Little Red Riding Hood、赤ずきんです。「長靴をはいた猫」でもおなじみのシャルル・ペローの作品ですが、今回は Watty Piperが 1922 年に書いたバージョンを public domain から英語と日本語でお伝えしたいと思います。今日ご紹介するバージョンはオリジナルと違い子供も喜ぶハッピーエンドなので、楽しんで聞いて下さい。
この童話を英語と日本語で聴く
こちらのページは、ポッドキャストを聴きながら読んでいただけるようになっております。
童話の詳細
作:シャルル・ペロー (Charles Perrault)
絵:なし
出版社:著作権無効
物語のあらすじ
むかし、むかし、あるところに小さな可愛い女の子がいました。大好きなおばあさんががくれた赤ずきんをいつもかぶっていた事から「あかずきん」と呼ばれるようになりました。そんなある日、体調を悪くしていたおばあさんに会いに行く為、あかずきんは森へ向かいます。しかしその途中、悪いオオカミさんに出会ってしまいます。さて、あかずきんは一体どうなるのでしょうか?
19世紀後半頃に描かれた「あかずきん」、カール・オフターディンガー
あかずきん で紹介した単語
1. おばあさん
grandmother
2. オオカミ
wolf
3. 花
flower
1.おばあさんとおじいさんの色々な英語での言い方
Q1: Who was Little Red Riding Hood going to visit?
第1問:赤ずきんは誰に会いにいったでしょう?
Answer: She went to visit her grandmother
答え:おばあさんに会いに行きました。
おばあさんの事を英語で grandmother と言います。短い呼び方では、 grandma とも言います。
では、おじいさんを英語で何て言うか皆さん知っていますか?答えは、 grandfather と言います。 Grandma と同じく、 grandad と短く言います。さて、英語では、他にもいろいろなおばあさんとおじいさんの呼び方があるの皆さんは知っていますか?家庭によって少し違うことがありますが、オーストラリアでよく使われる呼び方をご紹介します。
Grandma は他にも Nanna 又は nan と呼びます。
Granddad は他にも Pop と言います。
色々な呼び方があって面白いですよね。
絵本に出てきたセンテンス
At the further end of the wood was another pretty cottage and in it lived her grandmother.
そして、さらに森の奥にはもう一つきれいな小さな家があり、そこにはおばあさんが住んでいました。
2. 一匹オオカミを英語で?
Q2: Who was the bad character in the story?
第二問:このお話しで出てきた悪者は誰だったでしょう?
Answer: It was a wolf.
答え:オオカミです。
オオカミの事を英語で wolf と言います。グリム童話などでも、よくオオカミは悪い・意地悪な動物として描かれていますよね。それでは、皆さん、次のフレーズの意味が分かりますか?
He is a lone wolf.
Lone は一人という意味で、 wolf はオオカミ。つまり a lone wolf とは、一匹オオカミの事です。一人でよく行動したり、あまり他の人と関わらない人を一匹オオカミといいますよね。
絵本に出てきたセンテンス
Little Red Riding Hood turned around and saw a great big wolf.
赤ずきんが後ろを振り向くと、なんとそこには大きなオオカミがいました。
3. 色々な花の名前を英語で言ってみよう。
Q3: What did Little Red Riding Hood gather in the forest for her grandmother?
第3問:赤ずきんは森でおばさんの為に何を取って来たでしょう?
Answer: She picked bunch of flowers.
答え:森で花を摘み取りました。
花の事を英語で flower と言います。そして、花束の事を英語で bunch of flowers, 又は bouquet と言います。 Bouquet は結婚式で持つブーケなので、一般的には bunch of flowers と言う方が自然に聞こえます。
それでは、色々な花の名前を英語で覚えてみましょう(ポッドキャストを聞いていただければ発音を聞くことができます)。
バラは英語で Rose。
ひまわりは英語で Sunflower (直訳:太陽の花)。
チューリップは英語で Tulips。
ユリは英語で Lily。
絵本に出てきたセンテンス
Good morning, Grandmother, I have brought you eggs, butter and cake, and here is a bunch of flowers I gathered in the wood.
おはよう、おばあさん。卵、バーターとケーキ、そしてお花を森からつんできたわ。
あかずきん を読んだ感想
フランスの作者のシャルル・ペロー
この有名な童話はシャルル・ペローが1697年に書いたバージョンが世界的に有名になったお話しです。
ペローやグリム兄弟が書いたオリジナルでは実は赤ずきんはオオカミ食べられて死んでしまいますが、今日お伝えしたバージョンは皆助かるハッピーエンドでしたよね。
皆さんは赤ずきんを聞いてどう思いましたか?何を感じましたか?
個人的な意見ですが、赤ずきんには私たちが日常で暮らす中での「リスク」危険がある事を忘れないように教えてくれていると感じました。
リスクは私たちの日ごろからの決断と行動から時に不利な状況に陥ることを意味指していますよね。
コーネル大学のある研究によると、大人は平均一日でおよそ3万5千回の決断をしているそうです!
それは無意識にやっている歯磨きや、このポッドキャストを聞いたり、何を食べるかを決めたり、誰と結婚するかなど重要な決断も含まれています。この一つずつの決断が良い結果や不利な結果につながっていくのかも知れません。
このお話しでは、赤ずきんが花を摘むために道よりをして、不幸な事に悪いオオカミに出会ってしまいます。しかし、こうなったのは赤ずきんのせいだとは思いません。なぜなら、生きて行くのにリスクを怖がっては何もできませんよね。
人生で私たちはたくさんの決断をし、失敗したりして、色々なリスクと向き合うことになります。
大事なのはこれらの経験から「何を学んだ」かを理解し、そしてその新しい知識ちしきを他の人々と共有し、次により良い決断をする事だと思います。
あかずきん の英語と日本語訳
英文はアメリカのパブリック・ドメイン(著作権無効)を使用し、独自で翻訳しております。日本語訳は「絵本で英会話」の著作権なのでご注意ください。
There was once a sweet little maid who lived with her father and mother in a pretty little cottage at the edge of the village.
昔、ある所に可愛い小さな女の子が、お父さん、お母さんと一緒に村のはずれにあるきれいな小さな家に住んでいました。
At the further end of the wood was another pretty cottage and in it lived her grandmother.
そして、さらに森の奥にはもう一つきれいな小さな家があり、そこにはおばあさんが住んでいました。
Everybody loved this little girl, her grandmother perhaps loved her most of all and gave her a great many pretty things.
みんなから女の子は愛されていましたが、一番彼女を可愛がっていたのはおばあさんです。女の子にたくさんの可愛いプレゼントを上げました。
Once she gave her a red cloak with a hood which she always wore, so people called her Little Red Riding Hood.
ある時、おばあさんは女の子に赤ずきんをあげました。いつもそれをかぶるようになり、みんな女の子の事を「赤ずきん」と呼ぶようになったのです。
One morning Little Red Riding Hood’s mother said, “Put on your things and go to see your grandmother.
ある朝の事、お母さんが赤ずきんにこう言いました。「お出かけの服を着て、おばあさんに会いに行っておやり。」
She has been ill; take along this basket for her. I have put in it eggs, butter and cake, and other dainties.”
「おばあさんの体調があまりよくないから、このカゴを持っておゆき。中に卵、バターとケーキ、そしておいしいお菓子をいれておいたから。」
It was a bright and sunny morning.
それはとても天気の良い、晴れた朝でした。
Red Riding Hood was so happy that at first she wanted to dance through the wood.
赤ずきんはとても嬉しく、森の中を踊って進んで行きました。
All around her grew pretty wild flowers which she loved so well and she stopped to pick a bunch for her grandmother.
辺りにはたくさんのきれいな花が咲いており、大好きな花をおばあさんの為にたくさんつみました。
Little Red Riding Hood wandered from her path and was stooping to pick a flower when from behind her a gruff voice said,
赤ずきんは道よりをして花をつみ取り始めました。すると、後ろから誰かがガラガラ声で話しかけてきました。
“Good morning, Little Red Riding Hood.”
「おはよう、小さな赤ずきん。」
Little Red Riding Hood turned around and saw a great big wolf,
赤ずきんが後ろを振り向くと、なんとそこには大きなオオカミがいました。
but Little Red Riding Hood did not know what a wicked beast the wolf was, so she was not afraid.
でも、赤ずきんは彼がどれほど悪いオオカミだと知らなく、全く怖がりませんでした。
“What have you in that basket, Little Red Riding Hood?”
「そのカゴの中には一体何が入っているんだね赤ずきん?」
“Eggs and butter and cake, Mr. Wolf.”
「卵、バーターとケーキよ、オオカミさん。」
“Where are you going with them, Little Red Riding Hood?”
「それを持ってどこに行くんだい赤ずきん?」
“I am going to my grandmother, who is ill, Mr. Wolf.”
「体調の悪いおばあさんの所に行くの、オオカミさん。」
“Where does your grandmother live, Little Red Riding Hood?”
「おばあさんはどこに住んでいるんだい赤ずきん?」
“Along that path, past the wild rose bushes, then through the gate at the end of the wood, Mr. Wolf.”
「この道をずっと進んで、バラが咲いているところを通りこしたら、森の奥に門があるわ、オオカミさん。」
Then Mr. Wolf again said “Good morning” and set off, and Little Red Riding Hood again went in search of wild flowers.
すると悪いオオカミは「ごきげんよう」と言って去って行きました。赤ずきんはまた花を探しに行きました。
At last he reached the porch covered with flowers and knocked at the door of the cottage.
オオカミは花を持って先におばあさんの家へ向かい、玄関のドアを叩きました。
“Who is there?” called the grandmother.
「誰だい?」とおばあさんは尋ねました。
“Little Red Riding Hood,” said the wicked wolf.
「赤ずきんですよ。」と悪いオオカミは言いました。
“Press the latch, open the door, and walk in,” said the grandmother.
「ドアのロックを外してお入り。」とおばあさんは言いました。
The wolf pressed the latch, and walked in where the grandmother lay in bed.
オオカミはロックを外して中に入り、横になっていたおばあさんの所へ寄りました。
He made one jump at her, but she jumped out of bed into a closet.
すると、オオカミはおばあさんに飛び掛かりましたが、危機一髪おばあさんは逃げてクローゼットの中へと逃げました。
Then the wolf put on the cap which she had dropped and crept under the bedclothes.
そうして、オオカミはおばあさんがおとした帽子をかぶりベッドの中へ潜り込みました。
In a short while Little Red Riding Hood knocked at the door, and walked in, saying,
しばらくすると、赤ずきんがやってきてドアをノックして入ってきました。
“Good morning, Grandmother, I have brought you eggs, butter and cake, and here is a bunch of flowers I gathered in the wood.”
「おはよう、おばあさん。卵、バーターとケーキ、そしてお花を森からつんできたわ。」
As she came nearer the bed she said, “What big ears you have, Grandmother.”
赤ずきんがベッドに近づくとこう言いました。「まあ、なんて大きな耳をしているの、おばあさん。」
“All the better to hear you with, my dear.”
「あんたの声が良く聞こえるようにだよ。」
“What big eyes you have, Grandmother.”
「まぁ、なんて大きな目をしているの、おばあさん。」
“All the better to see you with, my dear.”
「あんたをよく見えるようにだよ。」
“But, Grandmother, what a big nose you have.”
「でも、鼻もとても大きいわ、おばあさん。」
“All the better to smell with, my dear.”
「あんたの匂いを嗅ぐためだよ。」
“But, Grandmother, what a big mouth you have.”
「だけど、口もなんて大きいの、おばあさん。」
“All the better to eat you up with, my dear,” he said as he sprang at Little Red Riding Hood.
「あんたを一口で食べるためだよ。」と言って悪いオオカミは赤ずきんに飛び掛かりました。
Just at that moment Little Red Riding Hood’s father was passing the cottage and heard her scream.
その時です、ちょうど近くを歩いていた赤ずきんのお父さんは悲鳴を聞きました。
He rushed in and with his axe chopped off Mr. Wolf’s head.
お父さんは急いで家に行き、悪いオオカミの斧で倒しました。
Everybody was happy that Little Red Riding Hood had escaped the wolf.
みんな赤ずきんがオオカミから逃げられてホットしました。
Then Little Red Riding Hood’s father carried her home and they lived happily ever after.
そうして、お父さんは赤ずきんを抱っこして家まで帰り、みんな幸せに暮らしたそうです。