「 クリスマスのまえのよる 」の内容紹介
今日のお話しは、サンタクロースのオリジナルになったともいわれている197年前に書かれた有名なクリスマスの詩、「クリスマスのまえのよる、サンタクロースがやってきた」Twas the Night Before Christmas (A Visit from St. Nicholas) です。サンタさんを待っている子供たちはお話しだけを聞いて、大人の方は最後まで聞いて下さい。(サンタの由来についての説明が最後にあります)。
この絵本を英語と日本語で聴く
こちらのページは、ポッドキャストを聴きながら読んでいただけるようになっております。
絵本の詳細
作:クレメント・ムーア (By Clement Moore)
出版社:著作権無効
物語のあらすじ
それはクリスマスの前の夜、家中で生き物、ネズミさえも動かなくなったころ。サンタクロースのソリと8頭のトナカイたちを窓から見かけます。たくさんのおもちゃを持って煙突から入ってきます!現在私たちが知っているサンタクロースのオリジナルともいわれているこの詩、色々な発見と驚きがたくさんあります。
オリジナルのサンタクロースは実は黒い服を着ていた!
クリスマスのまえのよる で紹介した単語
1. ソリ
sleigh
2. トナカイ
reindeer
3. 煙突
chimney
1.サンタには欠かせないソリ
Q1: What did Santa Clause ride on?
第2問:サンタクロースはどんな乗り物に乗っていたでしょう?
Answer: He was riding a flying sleigh!
答え:空飛ぶソリに乗っていました。
ソリの事を英語で sleigh と言います。又は一般的に sled とも言います。両方ともソリという意味ですが、Sleigh は大き目のソリで馬、犬やトナカイが引っ張っているイメージあります。
サンタが乗っているのは sleigh ですよね。Sled はもっと小さな一人で滑る遊びに使ったりするソリです。
絵本に出てきたセンテンス
So up to the house-top the coursers they flew,
With the sleigh full of Toys, and St. Nicholas too.トナカイたちは屋根の上へ向かって飛びました、
おもちゃがいっぱいのソリとサンタクロースを乗せて。
2. サンタの相棒のトナカイたち
Q2: How many reindeers were there?
第2問:何匹のトナカイがいたでしょう?
Answer: There were eight reindeers.
答え:8頭です。
トナカイの事を英語で reindeer と言います。皆さんは出てきたトナカイたちの名前を覚えていますか?おさらいしてみましょう。
- Dasher、ダッシャー (早く走るトナカイ)
- Dancer、ダンサー (踊るトナカイ)
- Prancer、パンサー (威勢がいいトナカイ)
- Vixen、ヴィクセン (意地悪なトナカイ)
- Comet、 コメット (彗星、星のトナカイ)
- Cupid 、キューピッド (キューピッドのトナカイ)
- Donder、ドナー (いじめっ子のトナカイ)
- Blitzen 、ブリッツェン (いなずまのトナカイ)
ライムのリズム感が合うように名前が選ばれたという説がありますが、あの有名な真っ赤な鼻をしたトナカイさんの「ルドルフ」がいない事を皆さんは気がつきましたか?実は真っ赤なお鼻のトナカイさんはずっと後の1939年(81年前に)ロバート・メイさんが書いたお話しなんです。それよりずっと前の197年前に書かれたこの詩には出てきません。
絵本に出てきたセンテンス
When, what to my wondering eyes should appear,
But a miniature sleigh, and eight tiny reindeer,キョロキョロしてあたりを見回すと、なんと小さなソリと8頭の小さなトナカイが見えました。
3. サンタが出入りできる煙突
Q3: How did Santa Clause get into the house?
第3問:サンタクロースはどうやって家の中に入ってきたでしょう?
Answer: He came through the chimney
答え:煙突から入ってきました。
煙突の事を英語で chimney と言います。それでは、煙突がつながっている暖炉の事を英語で何て言うか皆さんは知っていますか?
答えは、fireplace と言います。fire は「火」で、place は「場所」。覚えやすい単語ですよね。
絵本に出てきたセンテンス
As I drew in my head, and was turning around,
Down the chimney St. Nicholas came with a bound.頭を窓からひっこめて、振り向いてみると。
ポン!と、サンタクロースが煙突から降りてきました。
クリスマスのまえのよる を読んだ感想(大人の方へ)
作者のクレメント・ムーア
「サンタクロースがやってきた」、又は最初の文章から由来したタイトルの「 クリスマスのまえのよる 」はクレメント・ムーアが1823年に書いた詩です。実はこの詩には、サンタクロースと言う名前は使われていません。その代わりに聖ニコラスの名前 (St. Nicholas) が使われているのはサンタクロースの由来とクリスマスの伝統に関係しています。
サンタクロースのモデルになったのは1740年も前の西暦280年にトルコにいた聖ニコラスです。聖ニコラスはとてもやさしい人で、たくさんの人々から尊敬され、多くの言伝えを残しています。彼は自分の財産を人々に分け与え、国中を旅をして貧しく病気をした人々を救ったそうです。私たちが知っているサンタクロースは「 クリスマスのまえのよる 」がベースとなり「ぽっちゃりしていて愉快な妖精」が空を飛んで煙突から入ってくるイメージが定着しました。
しかし、この頃のサンタクロースは黒いスーツを着ていた事皆さんは知っていましたか?なぜ赤色に変わったかというと、実はコカ・コーラの大ヒットしたキャンペーンで使われたサンタクロースが赤色を着ていたからなんです。考えてみるとサンタが着ている赤と白はコカ・コーラのロゴの色と一緒ですよね。
私たちが知っているクリスマスには色々な影響と面白い背景のお話しがありますが、大事なのはクリスマスの本当の意味を忘れない事だと感じました。聖ニコラスが行ったように、クリスマスとは相手に手を差し伸べて分け合う事です。与える事 (giving)、希望 (hope)、励ますこと (good cheer)、愛 (love)、分かち合う事 (understanding)、そしてお互いを助ける合う事 (helping good will towards others)。これからの気持ちが色々な形となって現在私たちがするクリスマスのプレゼントやデコレーションになったのではないでしょうか。
クリスマスのまえのよる 翻訳
Twas the night before Christmas, when all through the house
Not a creature was stirring, not even a mouse;
それは、クリスマスの前の夜、家の中はシーンと静まり返り、
生き物や、ネズミさえも物音を立てなくなった頃。
The stockings were hung by the chimney with care
In hopes that St. Nicholas soon would be there;
靴下は煙突のそばに丁寧につらされ、
サンタクロースが来のを待ちわびていました。
The children were nestled all snug in their beds,
While visions of sugar-plums danced in their heads;
子供たちはベッドの中で気持ちさそうに眠り、
キャンディーが踊る夢を見ていました。
And mamma in her kerchief, and I in my cap,
Had just settled our brains for a long winter’s nap,
お母さんはバンダナをかぶって、私は帽子をかぶり、
長い冬の眠りにつきました。
When out on the lawn there arose such a clatter,
I sprang from the bed to see what was the matter.
外の庭で何かカタカタと音がすると、
私はベッドから飛び起きて様子を見ました。
Away to the window I flew like a flash,
Tore open the shutters and threw up the sash.
一瞬で窓へ駆け寄って、
ブラインドを上げて雨戸を開けました。
The moon on the breast of the new-fallen snow
Gave the lustre of mid-day to objects below,
月の光が降ったばかりの雪を照らし、
まるで昼のように明るく光っています。
When, what to my wondering eyes should appear,
But a miniature sleigh, and eight tiny reindeer,
キョロキョロしてあたりを見回すと、
なんと小さなソリと8頭の小さなトナカイが見えました。
With a little old driver, so lively and quick,
I knew in a moment it must be St. Nick.
陽気で、元気な小さなおじいさんを見かけた一瞬、
サンタクロースだとすぐに分かりました。
More rapid than eagles his coursers they came,
And he whistled, and shouted, and called them by name
鳥のワシより早くトナカイたちは飛び、
サンタは口笛を「ピー」と吹いて、トナカイたちの名前を大きな声で呼びました。
Now, Dasher! now, Dancer! now, Prancer and Vixen!
On, Comet! on, Cupid! on, Donder and Blitzen!
「そらダッシャー、そらダンサー、それパンサーにヴィクセン!行けコメット、行けキューピッド、ドナーにブリッツェン!」
To the top of the porch! to the top of the wall!
Now dash away! dash away! dash away all!”
ベランダの上まで!壁を越えて!さぁ、走れ!走れ!走り登れ!!
As dry leaves that before the wild hurricane fly,
When they meet with an obstacle, mount to the sky;
大嵐が来る前に風で舞う枯葉のように、
何かにぶつかりながら、ソリは空へと舞い上がりました。
So up to the house-top the coursers they flew,
With the sleigh full of Toys, and St. Nicholas too.
トナカイたちは屋根の上へ向かって飛びました、
おもちゃがいっぱいのソリとサンタクロースを乗せて。
And then, in a twinkling, I heard on the roof
The prancing and pawing of each little hoof.
そしてあっという間に屋根で音がしました。
トナカイたちが飛び跳ねる音と、コトコトふむ足の音です。
As I drew in my head, and was turning around,
Down the chimney St. Nicholas came with a bound.
頭を窓からひっこめて、振り向いてみると。
ポン!と、サンタクロースが煙突から降りてきました。
He was dressed all in fur, from his head to his foot,
And his clothes were all tarnished with ashes and soot;
彼は頭から足まで、毛皮の服を着て、
服は灰とススまみれになっていました。
A bundle of Toys he had flung on his back,
And he looked like a peddler just opening his pack.
たくさんのおもちゃを肩に背負って、
まるで、お店の商人が袋を開くようでした。
His eyes—how they twinkled! his dimples how merry!
His cheeks were like roses, his nose like a cherry!
サンタクロースの目はキラキラ光り、ニッコリ笑顔のえくぼ。
ほっぺはバラのように赤く、鼻はまるでサクランボのよう。
His droll little mouth was drawn up like a bow,
And the beard of his chin was as white as the snow;
おどけた口は弓の様で、
アゴに生えたひげは白い雪のよう。
The stump of a pipe he held tight in his teeth,
And the smoke it encircled his head like a wreath;
歯にはパイプをきつく噛んで、
煙は輪になって頭の周りを囲みました。
He had a broad face and a little round belly,
That shook when he laughed, like a bowlful of jelly.
サンタクロースの顔は大きく、そしてお腹とても丸くて、
笑うたびにゼリーが入ったボウルのようにプリプリと揺れました。
He was chubby and plump, a right jolly old elf,
And I laughed when I saw him, in spite of myself;
サンタクロースは可愛くぽっちゃりしていて、まるで愉快な妖精のよう、
私はつい笑ってしまいました。
A wink of his eye and a twist of his head,
Soon gave me to know I had nothing to dread;
サンタクロースは頭をかしげて、目をウィンクすると、
何も怖がる事はありませんでした。
He spoke not a word, but went straight to his work,
And filled all the stockings; then turned with a jerk,
サンタクロースは一言も言わずに、テキパキお仕事をして、
つらしていた靴下をいっぱいにして、クルッと体を回して、
And laying his finger aside of his nose,
And giving a nod, up the chimney he rose;
指を鼻のそばにおいて、
「うんうん」とうなづいて、煙突をよじ登っていきました。
He sprang to his sleigh, to his team gave a whistle,
And away they all flew like the down of a thistle.
サンタクロースはソリに飛び乗り、トナカイたちに口笛をふいて、
花の綿毛のように飛んでいきました。
But I heard him exclaim, ere he drove out of sight,
“Happy Christmas to all, and to all a good-night.”
でも見えなくなる前に、サンタクロースの大きな声が聞こえました。
「メリークリスマス!みんな、お休み!」