「 チコときんいろのつばさ 」の内容紹介
この絵本を英語と日本語で聴く
こちらのページは、ポッドキャストを聴きながら読んでいただけるようになっております。
絵本の詳細
作:レオ・レオニ (Leo Leonni)
絵:なし
出版社:著作権無効
物語のあらすじ
羽を持っていなかった鳥のチコはある日、金色の翼をお願いして、その夢が叶います。しかし、他の鳥たちから仲間外れにされてしまいます。

「 チコときんいろのつばさ 」
チコときんいろのつばさ で紹介した単語
1. つばさ
wings
2. 願い
wish
3. 与える
give
1.Wings と Feathers の違いは?
Q1: Why couldn’t Tico fly?
第1問:チコはどうして飛べなかったのでしょう?
Answer: Because he had no wings.
答え:翼がなかったからです。
この絵本には翼と羽の二つの単語が出てきました。皆さんはこの二つの単語の違いに気が付きましたか?翼は英語でwingsと言います。そして、一本ずつの羽をfeathersと言います。
チコが魔法の鳥にお願いをする時は「金色の翼」、golden wingsをお願いしますが、人々に金色の羽を分け与えるときはgolden feathersとお話しに書かれていました。

絵本に出てきたセンテンス
I wished I had a pair of golden wings.
「僕に黄色の翼があったらいいのに。」
“I will give him one of my feathers.”
「彼に僕の羽の一つを上げよう。」
でも、そのガラガラ声を聞いた子ヤギたちは、すぐにオオカミだと分かりました。
2. お願い事を英語で?
Q2: Who granted Tico’s wish?
第二問:誰がチコの願いを叶えたでしょう?
Answer: By the wishingbird
答え:願いを叶える魔法の鳥です。
願う事を英語で wish と言います。この単語は 「~がほしい」、「~だったらよかったのに」、と気持ちを伝えたい時などに使います。
例えば、 “I wish you were here” と言うと、「あなたがここにいればよかったのに」と、センテンスの始めに I wish と使います。
それでは皆さん、「願い事をする」を英語でなんて言うか知っていますか?この場合は “make a wish” と言います。例えば、Make a wish upon a star と言うと、「星にお願いをする」という意味になります。魔法の鳥もチコに「願いを言ってごらん」と言うときに “Make a wish”と言っていましたよね。

絵本に出てきたセンテンス
“Make a wish and it will come true.”
「願いをいってごらん、叶えてあげよう。」
3. Give の色々な使い方
Q3: What did Tico do with his feathers?
第3問:チコは金色の羽をどうしたでしょう?
Answer: He gave golden feathers away.
答え:金色の羽を分け与えました。
何かを与えたり、物を渡すことを英語で give と言います。Give の過去形は gave です。
例えば、”I will give you my pen” 「私のペンをあなたに上げます」。過去形の場合は、 “I gave you my pen” になります。
そして、 Give にはこのような使い方もあります。 “Please give me a second” 又は “give me a sec” と言うと、「ちょっと待ってください」という意味です。
このセコンドは時間の「秒」のことなので、「一秒ください」、つまり「ちょっと待ってください」になります。よく日常で使うフレーズです。

絵本に出てきたセンテンス
“I will give him one of my feathers.”
「彼に僕の羽の一つを上げよう。」
チコときんいろのつばさ を読んだ感想

作者のレオ・レオニさん
絵本は私の大好きな絵本作家、レオ・レオニさんが1964年に出版した絵本です。
彼の代表作、スイミーやフレデリックと比べて、この絵本はあまり知られていないかもしれませんが、とても美しく描かれている個人的におススメの絵本です。
羽を持っていなかった鳥のチコはある日、金色の翼をお願いして、その夢が叶います。しかし、他の鳥たちから仲間外れにされてしまいます。
皆さんはこのお話しを聞いてどう思いましたか?何を感じましたか?
個人的な意見ですが、この絵本にはとても深く考えさせられる2つのことがありました。誰もが一度は考えたり、悩んだりすることだと思います。それは、一人ひとりが持つ「個性」と、「みんなと同じ」であることのプレッシャーとジレンマです。
チコは自由に空を飛ぶのに金色の羽を願い、夢が叶いますが、同時にその個性に嫉妬され、仲間外れにされます。チコが願っていた金色の翼は自分を幸せにせず、逆に差別されてしまいます。
もしかしたら、チコはこの経験から二つの事に気が付いたと思います。一つは、「授かった能力」を自分の為ではなく他の人の為に使える事と、「本当に大切な個性は目に見えない事」だと感じました。
チコは金色の翼が手に入っても幸せになれませんでしたが、他の人々にその羽を分け与える事で幸せにする喜びを見つけます。やがて彼の翼の色は真っ黒に変わりますが、それはチコにとってはもう重要な事ではありませんでした。
つまり、チコが最後に気付くことは、外見以上にもっと大切な事だと思いました。彼の黒い翼は一見普通に見えるかもしれませんが、その翼はどの翼より美しいと思います。チコの翼は人々に尽くすことで手に入れた翼だからです。
私たちは常に目に頼って生きていますが、見えているものだけが真実ではありません。
時には物事を心で見て、自分に尋ねたら、本当の姿が見えるのかもしれません。
そう、チコが魔法の鳥から本当にもらったのは金色の翼ではなく、自分を自由にしてくれるこの心の翼ではないでしょうか。